『名前を知らない小さくてかわいいコ』

　庭の枇杷を勝手にひとつもいで食ってみました。売ってるもの程の甘みは無いけれど充分美味いです。お隣さんも食べるだろうからちょっとだけにしときます。実がなる木は良いね。

　先日、ある若いタレントさんを撮影しました。撮影本番に入る前に、『カメラマンの今井です。宜しくお願いします！』と大きな声で挨拶したら彼女も名乗ってくれたのですが、よく分かりませんでした。スタジオ内は案外声を張らないと聞こえないのです。まあいいや、『名前を知らない小さくてかわいいコ』でいいかと撮影を始めました。

　１セット終わって彼女がメイクルームに消えた後、編集者に『あのコだれ？』って訊いたら、
『○○に出てた○○ってコですよ！』

『あ！その番組よく見てた！しかもそのコ知ってる！』

やっと目の前の彼女とテレビで見る彼女が自分の中で合致しました。

　もともと人の顔を憶えるのは得意じゃないですが、加えてテレビに映し出されるイメージを信用してない（人物に限らず事象なども）ところがありこのような有様です。街で有名人とすれ違っても気がつかないクチです。

　最も酷かったのは、昔とあるバーで飲んでて偶然隣に居た男と音楽の話でさんざっぱら盛り上がった後『あなたはミュージシャンの○○に似てるねえ〜』と言ったら本人だったという事がありました。

　やれやれです。

Photo:Jun.'09,nishi-ogikubo,tokyo,japan