2015/09/06

手が骨だらけ


 先日、義父の三回忌と義父の弟さんの納骨で新潟は長岡まで行って来ました。

 肌寒くも感じる雨の中、レンタカーを運転して四時間。現地だけは奇跡的に晴れ渡っていました。というか、戸外に出ると礼服の背中が痛いくらいでした。

 お寺でお経を読んでもらった後、お墓に移動して義父の弟さんの納骨をしました。義父の納骨の時には立ち会っていなかったので私は初めてでした。

 小川の側の土手に十数塔のお墓がこじんまりと並んでいます。小川の反対側は田んぼです。平たい所は田んぼでその向こうは山です。

 代々伝わると思しき年季の入ったお墓の線香を載せる台をズズッと横にずらすと箱ティッシュ位の面積の穴が現れます。(例えが上手くなくてすみません)

 どうやらその穴からお骨を手で投げ入れるのです。 骨壺は処分してもらうのだそうです。

 初めての経験でした。姪甥達は最初ちょっとビビっていました。

 我々大人共はどんどんお骨を拾っては穴に入れていましたが、骨壺の中には手では拾えない粉々になったお骨が最後残る訳です。

『これを作って来ました』

 義弟が、厚紙をV字に折り曲げたモノを取り出しました。漏斗代わりに穴に添えてざざーっと入れてしまう訳です。その時はなんだかこの地域の納骨ってのは合理性に欠けるなと思ったのです。

 やり終えてお墓を元に戻すと、辺りに入り切らなかったお骨の粉末が散っていました。そんなもんで案外良いんじゃないかなという気がしてきました。

 最後に、粉末を厚紙で一所懸命入れていた長男(義兄)の手を見て中一の姪が言いました。

『手が骨だらけ〜』

 恐らく二度と聞く事の無い台詞だなあと思ったのでした。

Photo:Aug.'15,nagaoka,niigata,japan