2014/10/12

禁断の白い粉


 今晩は家でご飯を炊いて秋刀魚を焼いて食べました。家で焼き魚を食べる時には大根おろしを多めにおろします。個人的に足りない感じが嫌なので。そして大抵余ります。余っても良いんです。酒のあてにもなるし。

 大根おろしは辛めが好きです。子供の頃、母親に大根おろしを手伝わされその度に、
『大根は優しい気持ちでまあ〜るくおろすと甘くなるからね』
と、言われてやっていたのですがいつしか、
『仇の様に真っすぐこきおろす』
様に嗜好が変わってしまいました。
 そうしたからといって必ずしも辛くなる訳ではないのですが。

 案の定、今回も大根おろしは余りました。いつものように『あて』として食べようと思った時にふと昔の記憶が蘇りました。

 キッチンの引き出しの奥に隠し持っていたあるモノをひと振りしてやろうと思いついたのです。

『味の素』です。いわゆる『うまみ調味料』というヤツです。餃子を作る時の為に隠し持っていたのです。

 私が子供の頃、食卓には醤油とソースと食卓塩と味の素が普通に備わっていました。そして、大根おろしには当たり前に味の素をひと振り、漬け物にもひと振り、納豆にもひと振りといった具合に利用していました。
 なんだか全部同じ味になっちゃうじゃんと今は思うのですがそれが当たり前だった時期があったのです。

 今でこそ、『うまみ調味料』という言い方に変わっていますが、以前は『化学調味料』と言っていました。だから、ある時期から『身体に良くない』というバッシングが始まり食卓からも消えました。

 きっと今の商品は随分と改善されているのだと思うのですが当時の印象を持っている世代にはいまだに抵抗あるものだと思います。

 だけど久しぶりに味の素を振りかけた大根おろしは懐かしく美味かったのです。相変わらず『味の素』の味が主張しまくっていましたが。

 それが良いんです。

Photo:Oct.'14,nishi-ogikubo,tokyo,japan

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