2012/02/21

ひとりで飲む酒


 知らない街の初めての飲み屋にひとりで入った場合、見晴らしの良い(店内が見渡せるという意味で)席に座ります。

 昔は、ひとりで飲むというプレッシャーを悟られないように文庫本を必ず持参していました。そうすれば、注文の時だけ顔を上げればよいので他人の視線を気にしなくても良いわけです。今だったら携帯でもありなのか。
 でも、そんな飲み方をしてても気持ち良くないのです。うちでひとりで飲めよ!って事です。

 フリーになった頃から文庫本をやめて顔を上げるようになりました。まあ、飲めるようになって来たってことなのですが。ほろ酔いで、いろんなお客さん達が楽しそうに、あるいは深刻に、またはけんか腰で飲んでるのを眺めているのは楽しいです。あんまりじっと眺めていると高圧的に絡まれたり、色っぽく絡まれたり(なことあるか)

 ともあれ、その街に何十年と住んでて隠居した老人がつっかけでやって来て三杯くらい飲んで綺麗に去って行くっていうのに偶然遭遇出来た時が私にとっての一番の『当たり』です。

『酔客万来』(酒とつまみ編集部:編/ちくま文庫)を読んでなんだかちょっと酒の事を書いてみたくなったわけです。いつも酒の話ではあるのですがね。

Photo:Feb.'12,shibuya,tokyo,japan

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