2014/03/16

木も森も見て
















 洋服の撮影をしていたら若いカメラマンがやって来て私に質問しました。

 彼女が撮影している洋服の胸元から垂らしたリボンが光る素材で出来ていて均一に光ってくれないのでどうしたら良いか?という内容でした。

 別に良いんじゃない。そういうもんじゃないの?って私は答えました。

 彼女のブースに行ってみると、なる程テラテラした素材のふにゃふにゃしたリボンです。ピンと真っすぐに伸びている訳では無いのでいろんな反射をしてしまうのは仕方が無いのです。

 それをなんとかしようと彼女はレフ版を持って試行錯誤していました。
 なんともなる訳が有りません。 

 試行錯誤するのは良いのですが私が気になったのは、

『何故そのリボンが均一に光っていなければならないとあなたが思ったのか?』

というところでした。

 クライアントの意向または本人の信条からならば良いのですが、なんとなくプロの写真ってそういうもんじゃんと勘違いしてだったら間違ってるよなあと思ったのです。

  クライアントの意向だったらそれなりに打つ手は有ります。

 本人の信条なら大いに拘った方が良いです。私も彼女に言いました。

 私達が撮っているのは服であってリボンでは無いのです。



『この写真はお前らしくない!』

と、当時撮影していたゴルフクラブのポラ(テスト写真)を見せる度に師匠に言われ 撮影し直すという作業をしていた弟子の頃を久しぶりに思い出したのでした。

ゴルフした事も無いのにお前らしくって、禅問答かよ!!と当時は思ったものです。

Photo:Mar.'14,nishi-ogikubo,tokyo,japan

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