大学一年の夏休み、私は帰省していた。地元で一番仲が良かった男友達と、時々女友達も交えて待ち合わせるのはいつも同じ喫茶店だった。そこには私の中学時代の同級生の女の子が働いていた。
一杯のコーヒーでなんだかとりとめのない長話(音楽や小説や)を延々した後居酒屋に行き、その頃これを飲んどけば間違いないと信じてた”コークハイ”でまた延々と長話(音楽や小説や)。慣れないタバコとアルコールで頭が痛いのをごまかしながら女友達と別れ、彼の家へ。
彼の家は瀬戸内海を見渡せる小高い所にあり、彼の部屋の広い窓からもそれは見えた。私たちは暗い海に点々と灯る漁船の明かりを眺めながら、父親からくすねた酒と彼がクッキーの缶に集めたシケモクをやりながらいつ終わるとも知らぬ長話を続けたのだった。音楽や小説や恋愛や、、、二人とも海を眺めたままで。
田山花袋を読み始めたらなんだか強烈に思い出されてきたので書いときました。
Photo:Mar.'10,nishi-ogikubo,tokyo,japan
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